数年ぶりに日本へ帰ると、当時の学生時代の友人と話が咲く。数年間どうだったかの近況を話すほか、学生当時の思い出話などをする。アメリカに永住してかなり経つ私にとっては、日本での思い出は基本的に渡米以前のものである。それ以降のこと、例えば現在の流行語や有名人、人気の商品など、今日本で住む日本人が普段の会話で出しているそれらを、私はたいてい知らない。
だから久しぶりに旧友と会う際、今流行っている物事を彼らが言ってきても私は基本分からないし、一方私が用いるネタはかなり古い。例えば、宮路社長のように現金主義だから、と言ったり、スタンハンセンがレスラーで一番最強だ、と言ったり、クロマティーのような構え方だな、と言ったり、タケちゃんマンみたいなハロウィンコスチュームと言ったりするなど、渡米前で基本止まっているのでそこまでが私にとって一応最新の部類である。歌手のアンジェラ・アキも、10年振りにアメリカから帰国すると、オバタリアンなど一昔前の言葉を使っている事をツッコまれた、と言う。日本の最近の流行を言いたくてもよくわからないので仕方ない。
一方旧友たちにとっては、昔の記憶の引き出しを探して時間がかかっているような思い出話や、当時の流行のネタがあっても、それらは私の渡米前の情報に時期が近いので、比較的すぐ答えられる。だが彼らは、よく覚えているなー、とか、すごいところ突いてくるなー、などと、昔の話の私の詳しさにたいてい驚かれるが、私が記憶力が凄いのではない。毎日彼らは日本の最新情報に触れ、古い情報はどんどん記憶の後ろに押しやられるかもしれないが、私にとっての日本での情報は、渡米時までがメインで、アメリカ在住年数分、日本関連は容量が少なく済み、これからも日本関連の情報は彼らと同じペースで増えないだろうから、時代遅れというか、タイムスリップして未来に来た人間と話しているようなものかもしれない。
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子供の時分は親や友人らに誕生日を祝ってもらい、プレゼントを貰うが、大人になり、家庭を持ち子供もできれば、それは子供のためだけと、自分の誕生日を祝うことがなくなっていく。しかしアメリカでは、大人になっても比較的誕生日を祝う。親類や友人を集めて、まるで子供のとあまり変わらないような誕生日パーティーをする人が多い。もともと人が集まりわいわいがやがやするのが好きなのか、アメリカ人は特に理由もなくパーティーをするくらいなので、年を取っても誕生日は格好のパーティーとなる。
当然、誕生日プレゼントも然りで、たいてい贈りあう。贈る相手である自分の両親、叔父叔母、いとこ兄弟、祖父祖母、友人らがもう50,60代になっていても、贈ろうとする。よくあるのはギフトカードや、現金、花束、ビール、ワインなどをバースデーカードとともに送るのだが、そういうありきたりでいいけども、中には今流行っているものや、これから流行しそうなもの、珍しいもの、オォー、と感心するような誕生日プレゼントを贈る人もいる。
贈る相手は大人なので、たいていの店で売っている商品は知っている。近くの店ですぐ買えるような物を贈るのは面白くないと、ユニークで発想がなかったような、クールな物を贈ってくれる人もいる。
例えば、ウェブサイト等で調べて、とてもよく落ちる洗濯用洗剤を作って箱に入れて贈ってくれたり、オーストラリア旅行した際に、上下逆さまになった世界地図を買って贈ってくれたり、アフリカ産の原住民の形をしたクリスマスオーナメントを贈ってくれたり、大便した後に使う大便専用スプレーだったり、自作のガラス細工で作ったネックレスを贈ってくれたり、見たこともないような味と香りのする紅茶の葉だったりと、どれだけ高価かではなく、どれだけ驚かせられるか、どれだけユニークで印象的か、をメインに贈ってくれる人もいる。受け取った方は、わざわざいろいろと考えて、こんなユニークな物を贈ってくれたのか、と感激することがあるし、そう思われたいがために、私もあれこれとプレゼント用ネタ探しのアンテナを広げている感覚で過ごしている。
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私の職場におられる日本からの駐在員には、過去にもアメリカやアジアなどに駐在経験のある方がちらほらおられる。数年海外で駐在し、日本に戻り、また数年後海外のどこかに駐在する、というような職歴のある方々で、彼らと会えばその苦労話をよく笑い話として聞かせてくれる。
例えば4回も5回も海外駐在に付き合わされたある駐在員の奥方は、次また駐在が決まればあなた一人で行ってよね、と言われ、冷や冷やしながら毎年の人事異動のシーズンを迎えると言う。
今やアメリカのこんな片田舎に住んでいても、日本のテレビ番組を見れるが、1980~90年代にアメリカに駐在した方たちは、そんな環境ではなく、例えば紅白歌合戦や面白いテレビ番組を日本の家族にビデオ録画してもらって、テープを郵送で送ってもらい、それを他の駐在員たちにも貸してあげて回し見したりしたと言う。
また今では楽天などいろいろなサイトで、日本食や日本関連の品物を海外発送し受取れ、近くに日本食レストラン、日本食スーパーなどが出来、かなり便利になってきたが、昔駐在した際はそういうものがなく、外国産のパサパサした米や外国産のカップラーメンで済ませたり、日本の家族から定期的に日本の調味料、カップラーメン、本等を小包で送ってもらったりしていた。日本食は貴重で高価であるから、分け合ったり、持ちより皆で鍋をしたりした方々や、中には味噌やうどんの麺、漬物などを出来る限り自分達で作り続けた駐在員ご家族もいたという。不便であればあるほど、他の駐在員たちと助け合う、横の繋がりは今よりも強かった、と話す方もいた。
苦労があった分、今となってはいい思い出ですよ、という彼らの顔を見れば、昔の駐在生活は今よりも大変であったのだろうと容易に察しがつく。それに比べれば今は何と便利になったことか。最新の朝の連続テレビ小説を見たり、日経新聞や週刊誌を読んだり、美味しい日本食を食べてから、アメリカの会社に出社することが出来る。恵まれていると再認識させられる。
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アメリカ人は本当にゾンビが大好きだ。ゾンビ関連の映画、TVショー、TVゲーム、フィクションの本、ハロウィンのコスチュームなどは大変多く、人気は不動のようだ。
アメリカでは、忍者、バンパイアものも人気だが、ゾンビはそれと同等か、それ以上の人気がある。日本でホラーものと言えば、白く足がないお化けや、ろくろ首、一つ目小僧、鬼、天狗、閻魔大王、三角頭巾を額につけた幽霊、地縛霊、貞子など、いくつかあるが、アメリカでは(貞子を除き)それほどバリエーションがない。ホラーものといえばゾンビ、バンパイア、ジェイソン、チャッキー程度だ。
なぜゾンビがそれほど人気で怖がられるのか。いくつか理由があると思うが、私が思うに、アメリカでは土葬されることがまだあり、その死体が生き返りゾンビとなってさまよい襲うかもしれない、と不安になるためかもしれない。
墓参りをしに墓場へ行くと、たいていは火葬であるが、たまにこんもりと盛り上がった地面の上に、花束が置かれているのを目にする。明らかに土葬されたもので、最近埋葬されたのか、そこだけ芝生がなく、目立つ。聞くと土葬は結構あると言う。埋葬すぐなら身長ほどの長さの土が盛り上がっているので土葬と分かるが、しばらく経つと火葬か土葬か分からなくなる。現実的に墓で土葬されており、そうした土葬された死体が甦り、ゾンビとなって襲ってきたら、という潜在的な不安があるので、アメリカではゾンビが人気なのかもしれない。
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