自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

昔の駐在員の生活

私の職場におられる日本からの駐在員には、過去にもアメリカやアジアなどに駐在経験のある方がちらほらおられる。数年海外で駐在し、日本に戻り、また数年後海外のどこかに駐在する、というような職歴のある方々で、彼らと会えばその苦労話をよく笑い話として聞かせてくれる。
例えば4回も5回も海外駐在に付き合わされたある駐在員の奥方は、次また駐在が決まればあなた一人で行ってよね、と言われ、冷や冷やしながら毎年の人事異動のシーズンを迎えると言う。
今やアメリカのこんな片田舎に住んでいても、日本のテレビ番組を見れるが、1980~90年代にアメリカに駐在した方たちは、そんな環境ではなく、例えば紅白歌合戦や面白いテレビ番組を日本の家族にビデオ録画してもらって、テープを郵送で送ってもらい、それを他の駐在員たちにも貸してあげて回し見したりしたと言う。
また今では楽天などいろいろなサイトで、日本食や日本関連の品物を海外発送し受取れ、近くに日本食レストラン、日本食スーパーなどが出来、かなり便利になってきたが、昔駐在した際はそういうものがなく、外国産のパサパサした米や外国産のカップラーメンで済ませたり、日本の家族から定期的に日本の調味料、カップラーメン、本等を小包で送ってもらったりしていた。日本食は貴重で高価であるから、分け合ったり、持ちより皆で鍋をしたりした方々や、中には味噌やうどんの麺、漬物などを出来る限り自分達で作り続けた駐在員ご家族もいたという。不便であればあるほど、他の駐在員たちと助け合う、横の繋がりは今よりも強かった、と話す方もいた。
苦労があった分、今となってはいい思い出ですよ、という彼らの顔を見れば、昔の駐在生活は今よりも大変であったのだろうと容易に察しがつく。それに比べれば今は何と便利になったことか。最新の朝の連続テレビ小説を見たり、日経新聞や週刊誌を読んだり、美味しい日本食を食べてから、アメリカの会社に出社することが出来る。恵まれていると再認識させられる。