自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ飛行機欠航の話 その3

前回の続き。そうこうしていると、係員から、翌日の成田行きに一席だけキャンセルによる空きが出たので乗るかと言われたので、母に伝えるとそれでいいとなり、最終手段である空港で一晩明かすことになったのである。
思えば朝九時頃見送ってから、母は食事を何も食べさせてもらえていない。さらに春先で、夜はかなり冷える。空港ロビーの待合室で寝るよう連れて行ってもらえたが、すぐさま別の係員が来て子供が優先だ、と母は追い出されてしまった。結果何と、写真のような外の寒い椅子に座って夜を明かせ、と言ってきたのだ。
私はキレて、ボランティアの電話越しから、食事も寝場所も、毛布一枚すら提供しないとは何事だ、を英語で係員にまくし立てた。12時間以上何も口にしておらず、足腰が弱く旅行前から車椅子での介助を依頼していたのに、この対応は最悪だ、いい加減にしろと怒鳴り今すぐ改善するよう伝えた。すると、毛布一枚と、空港内のレストランで使える10ドルの食事券をくれた。
ここで夜10時を過ぎており、ずっと母のそばにいてくれたボランティア女性が帰ることになった。最後の母との電話で、日本語でいいから食事券を見せて、近くのサブウェイでサンドウィッチや果物など買うようにと、またボランティアから教えてもらった明日乗る予定の飛行機の段取りの説明と、係員にいろいろ改善要求したことを告げ、電話を切った。足が相当痛くなっていた母は、飛行機に乗って墜落しなかっただけよかった、明日の飛行機の席取れてよかった、亡くなったお父さんが見守ってくれた、と泣きながら話してきた。非常に心が痛んだ。次回に続く。