自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ人の平均引越回数

アメリカと日本では、仕事に対する捉え方が多少異なっているように感じる。個人的印象では、いまだに日本では仕事には滅私奉公で、基本的にいったん就職すれば定年まで同じ職に就こうという風潮があるかと思う。辞めたくても、もし辞めれば次の中途採用がなかなかされにくいので同じ会社に留まる人も多いのではないか。
アメリカでは、もっとフランクというか、自由であり、嫌だと感じたり、より良い待遇の職があればすぐ転職をする。世間も、中途採用に好意的で、大卒新入社員採用よりも即戦力になる中途採用も思いのほか多い。ヘッドハンティングもよくあるし、自ら気に入った会社に売り込む人も多い。様々な不満を抱えつつも同じ職場にいるよりは、いいところがあれば中年でも、管理職に就いていても転職する。
そのためか、同様に引越しもよくする。日本だといったん家を買えば、生涯同じ家で暮らし、子にも相続させてあげようと思う人は多いが、アメリカではそういう価値観は日本より低い。いい職が遠い他州であれば、家もさっさと売り払う。転職でなくとも、単により良い家が見つかれば引越しをする。職も家も、より良いものを探し続ける狩人のようだ。
突き詰めれば、大昔にさかのぼり同じ場所に定住する農耕民族と、より良い獲物を探し求める狩猟民族のようで、人の深層にある根本的価値観の違いに端を発するかもしれない。
ア メリカでは、生涯に平均しておよそ15回引越しをするといわれる。育ててきた近所付き合いを大事にするとか、詳しい地元の土地勘を無駄にしたくないとか、 生まれ育った地域だからとか、親や親族が近くにいるとか、住宅ローンが残っているからとか、新天地に慣れるまでの心労とか、そんなことよりも、より主観的に、より良い職に就職したための引越しとか、より良い家、より良い学校地区、より理解出来うる税金額の地区、気候がいい所、家族の成長に合わせより大きい家、小さい家に引っ越すなど、自らをその場所に縛りつけられているような呪縛的感覚はあまりなく、思い立ったが吉日的に、どんどん引越しをする。
勤続40年の大ベテランも周辺にはいるが、それよりも他の会社に転職したり、どこかから転職してくる人も、私の会社では多いし、家の近所でも、引っ越してきたり、引っ越してどこかに行った人も定期的に起こる。アメリカは日本よりももっと人の流動性がある。