自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

目を合わせない日本人 その1

日本のTVを見ていてふと気づくのだが、日本人の一定数の人、特に比較的若い人の多くは相手の目を見ない。インタビューや対談などで、話をする際、その内容はしっかりしていても、聞き手の目を見ない。全然関係のない遠くをずっと見て、まれに相手を「チラ見」する。まるで見てはいけない物を見るかのように、まれに一瞬チラ見する。そしてまたどこか遠くを見ながら声だけ相手に伝えている。
それを見て、何とも言えない違和感やよそよそしさ、寂しさを感じるだけでなく、日本にいた頃の昔の自分も一時期そうだったような気がして、変なデジャブを感じた。アメリカ生活が長くなり、アメリカの価値観や習慣にかなり適応してきた一つの結果なのか、私が話をする時は相手の顔を見る。それは普通の日本人からすれば、ガン見で、思いっきり見ていると思われるかもしれない。声だけでなくて、表情もそのキャッチボールの重要な要素となる。アメリカでは私の知る限り、ほとんど全ての人が相手の顔を見て話をする。
そうであるだけに、日本人の多くがする相手の顔を見ない会話は、むなしい。相手と必要以上に仲を深めたくないのか、目を見るのは恥ずかしいのか、新しい流行的価値観なのか、あまり相手の目を見て嫌がられたくないからなのか、長い間日本に住んでいないので、その本音は分からない。
だがどんな理由であれ、私が聞き手であれば、こちらを滅多に見ないで話されるのはきっと寂しいと思う。私のこと嫌いなのか、とか、何か気に障ることでも言ったかな、と思ってしまうかもしれない。だが話の内容はしっかりしているのにただこちらを見ないのであれば、コミュニケーション不足なのかな、自分に自信がないのかな、常に一定距離を置くことがこの人の快適方法なのかな、と要らぬ勘繰りをしてしまいそうで、終始目を合わせてこない態度なら、私とその人と今後友人になるかならないかの答えは明らかになる。