自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

この話術でアメリカ人に挑んだ結果

日本から来られる男性駐在員が、アメリカ人と話をする際に比較的よく見られるコミュニケーション方法がある。それは無意味によく笑うということだ。今までたくさんの男性駐在員を見てきたが、彼らのうちかなりの方が、まるで明石家さんまのようにすぐ笑う。正直なところ話の内容からして特に面白くはないが、ニコニコ、ニタニタと、時にハハハ、ガハハと笑う。彼らなりに場の雰囲気を温めたり盛り上げようとしているのは明らかである。
しかし何も面白いことを言っていないので、相手のアメリカ人はたいてい笑わない。ニタニタと、こいつは何が面白いのだ、と口には出さないが思っているアメリカ人のオーラを、私はひしひしと感じる。また歌手のAvril Lavigneは、日本人男性はニヤニヤして気持ち悪いと言う。彼らの努力が裏目に出たようだ。
とはいえ無意味の笑いが必ずしも場の雰囲気をさらに冷やすのではなく、多少は和やかなムードに貢献したり、後に本当に双方心から笑える話が出やすいきっかけにもなりうる場合もある。
つまりそういう話術に乗ってくれるアメリカ人もいれば、全く乗ってこないアメリカ人もいる。全く乗ってこないアメリカ人にそういう話術を続ける日本人を見ると、少し寂しく惨めに思えるほどで、相手のアメリカ人が気持ち悪いからやめろと言わんばかりの、ビシッと来る高速ストレートのような苛立った声と内容で返答する者もいる。
相手が乗ろうが乗らまいが、無意味に笑うコミュニケーション術では、こちらがどうも下手の立場になり、話の主導権を簡単に譲ってそうで、私は真似しない。そうでなく、アメリカ人と円滑にコミュニケーションするには、簡潔かつユーモアセンス(本当に面白いと思わせる内容や機転の効いたジョーク)を随所に入れるほうが自然で、それが彼らの話し方でもある。