自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ人は添乗員ツアーを好むのか

日本人が海外旅行をする際、航空券とホテルのみを予約する場合もあるが、同様に多いのが添乗員とのツアーだ。ヨーロッパなどの文化遺産を巡ったり、数国を同時に訪れたりする際は、添乗員ツアーが未だ多い気がする。リサーチパネルによると、添乗員がいるツアーといないツアーのどちらを選ぶかの問いに、50.9%が添乗員とのツアーを選んだという。
私も昔日本にいた頃、ヨーロッパ5カ国周遊ツアーに母と参加したが、20人程度の参加者と添乗員と共に文化遺跡などを観光した。確かに添乗員がいると便利であった。ホテルのチェックイン/アウト、移動の手配、 出入国手続き、人気のレストランやショッピングなど、海外旅行に伴う語学、現地の知識、トラブルなどの煩わしさを全て引き受けてくれる。その国に初めて訪れ、かつ日本語しか話せない人にとっては添乗員は大変心強い存在となる。
一方で、アメリカ人が海外旅行に行く際、そのほとんどが個人旅行で、添乗員を連れ添うのはあまり多くない。アメリカの多くの旅行サイトを見ても、航空券とホテル等を予約するだけのものがほとんどだ。妻の叔母は、昔添乗員として世界中を旅し、毎年妻の誕生日やクリスマスなどには滞在先の国からプレゼントを贈ってくれたようだが、徐々に仕事の需要が減り退職し、今はオレゴンで牧場経営に職を代えている。
英語が話せれば世界中のほとんどでそれなりに滞在できる。またアメリカ人に多いパターンは、終始添乗員をつけるのではなく、訪れる各種史跡や美術館などにいる英語話者によるガイドを、追加料金で単発でつけたり、オーディオによるガイドをレンタルしたりする。アメリカ人には旅行で終始行動を共にする添乗員が必ずしも必要でないかもしれない。日本人のように旅行中のスケジュールをガチガチに詰め込むというよりは、行くところを絞り、残りは自由でのんびりする、というような価値観がアメリカ人にはありそうで、また日本人ほど団体行動に安堵感を感じるのではなく、むしろ行動の自由を制限される煩わしさのほうが多いと感じるからかもしれない。