自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

英語ができなくても海外にいけば何とかなるか?その2

前回の続き。一念発起し海外に来たものの、現地人と英語で話ができないから孤立し、海外にいるのに英語を怖がり日本語のみで生活しようとしたり、英語をマスターしようなどという当初の目的とは遠くかけ離れた、なんとも惨めな海外生活を送ることになりかねない。
確かにスペイン語を話す者が英語を学ぶのは、言語学上兄弟のように近いので比較的楽と言われるが、日本語と英語は言語学上全く類似しておらず、しかも日本という英語圏でない環境で英語力を鍛えるのは至難の業だ。
だからと十分な下準備をせず海外移住すると、それはまるでいきなり100kgのダンベルを持ち上げねばならないようなもので、自在に操ることは困難を極める。下準備である程度持ち上げられる力があれば、100kgに対応できるのも早いし、スムーズな右肩上がりの上達が望める。
一方で外人と英語で話した経験もないようなレベルでいきなり現地へ飛び込み、相当な努力情熱と行動力、そして苦労や失敗をいとわない根性があれば、かなり時間はかかるが 100kgでもいずれ持ち上がる(英語を使いこなせる)ようになるかもしれないが、実現する可能性は低い上、そこに至るまでに様々な挫折や支障をきたす可能性も高い。
英語上達のため海外留学するのは、虎穴に入らずんば虎子を得ず、ではあるが、全く手に負えず失意とともに帰国しないように、後で後悔しないため日本にいるうちにできる限り英語で「聞く話す」能力の下準備を是非しておきたい。
私の場合日本にいる時から外人が集まるバーに行ったり、インターネットで外人とメッセンジャーをしたり、当時日本にいた恋人だった現在の妻と一緒にいたりなどして事前に数年鍛えた。もしそれらをせず、大学卒業レベル(つまり読み書きは割りとできるが会話経験はほぼなし)のままで渡米していれば、先の例で言うと全く歯が立たず逆に虎子にかみ殺されていたかもしれない。