日本語レッスンにユニークな生徒が来た話 その1
だが翌週、二回目のレッスン時に、顔を赤らめてやってきて、I have to tell you something.(言わなきゃいけない事がある)と真剣なまなざしで言ってきた。聞くと、彼女は近所でフランス語を教えている高校教師で、実は学校の方針でいろいろな世界を知ろう、というプログラムが作られ、彼女の学校で初めて、日本語の授業が始まることになり、彼女が担当し教えることになった、という。
フランス語やスペイン語などの授業は前々からあったが、日本語というマイナーな授業を、20週間という期間限定で担当することになり、日本語など全く知らない彼女にとっては青天の霹靂だったようで、半分涙目でHelp me!と懇願してきた。
もし、そういう事情なら教えない、と私が断ってきたらどうしよう、と前日彼女はあまり眠れなかったらしく、正直に話してくれたようだった。私は別に気にしないし、助けてあげられる訳だし、必要なら私がゲストとして学校のクラスで何か話でもできたら面白いね、等と言うと、とても喜んでくれた。
それから、私がいろいろ教えたり紹介した事を、翌週に彼女が高校の日本の授業で使う、という少しユニークなレッスンを始めた。次回は日本語でおはよう、とありがとう、しか知らなかった彼女が、どうやって日本の授業を行ったか書いてみる。