びっくりした時、どんな声をあげますか?強烈にびっくりした時は悲鳴になるかもしれないが、多くの日本人は「あっ!」とか「うわっ!」とか「うそっ!」などと声をあげるかと思う。一方アメリカ人は「Oh my God!」とか「Holy Cow!」とか「Shit!」などいろいろあるが、私が個人的にいらいらする、アメリカ人がびっくりした時にするリアクションがある。
それは、口で一気に息を吸い、「ハァッ!」、と呼吸音と声と半々のようなリアクションだ。完全な声ではないので、文字で「ハァッ!」、と書くとやや変だが、この一気に息を吸ってのリアクションはいらいらする。身近でも、妻、子供、親族全員がこのリアクションを取る。私は日本で青年まで育ったせいか分からないが、この「ハァッ!」を聞くと(強盗が侵入したとか毒蛇に噛まれたとか)、声に出せないほどの相当な危機や危険が発生したかのように、発した人のほうへ瞬時に振り向いてしまう。発した人が隣の部屋などにいる時、助けようと超特急で駆けつけてしまう。
だが実際彼らが発する「ハァッ!」は、ほとんどが大したことではない。水をこぼしたとか、携帯電話の充電がなくなっていたとか、そんなことでいちいち「ハァッ!」と言うなと思う。私にとって「ハァッ!」は声にも出せないような生命の危機に瀕するような時のもので、一日に何回も聞くと、正直疲れる。
それは妻と付き合い始めた頃からで、連発する彼女にふつふつと軽いジャブを受けるかのように実は長い間いらいらしていたが、彼らが頻繁に「ハァッ!」とびっくりする事、また未だに私がそれにつられ彼ら以上にびっくりし、大したことでなかったと分かった時の脱力感は、結構疲れる。
彼らが予期していなかったような話、例えばネズミ捕り器にねずみがかかって死んでた、とか来月旅行にでも行こうか、等と私が言えば「ハァッ!」、とリアクションしてきて、しばしば話をした私のほうがそれを聞いて逆にびっくりする。アメリカ人はリアクション好きなのか、オーバーリアクションなのか、日本人が割りと質素なのか、あれには未だに慣れない。
大量のクリスマスプレゼントをもらい、いちいち彼らが「ハァッ!」、と息を飲んでびっくりするのは、事前に想定の範囲内であるので、いつものようにつられて彼ら以上にびっくりはしないが、それでも心のどこかで「ハァッ!」に反応し心拍数が若干上がっているような気はする。
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アメリカでは、多くの親が子供の部活動を見学しに来る事がある。私の家は、中学校の数件隣であるので、夕方になるとグラウンドに大勢の親がやってくる。私はそのグラウンドに面した道を通る必要があるが、彼らによる車の往来が激しく、路上駐車したり、止める所を探そうとウロウロ徐行運転する車がいて先になかなか進めなかったりと、地元住民にとっては結構迷惑だ。
グラウンド真横の家は、自分のドライブウェーに誰かが車を止めないよう、コーンを置いたり、私有地のため車を止めるな、との張り紙を立てかけたりと、大変そうだ。
部活動は、雪が降る冬以外のたいてい夕方に行われ、アメフトやサッカー、野球、ソフトボール、陸上競技やチアリーディングの練習がよく行われている。だいたい夕方5時頃から、夜8時9時頃までやっていることがあり、大きな歓声や審判のホイッスルなどがよく聞こえてくる。多い日は車が50台以上グラウンドに横付けされているのを見ることがある。
日本では子供の部活動を普段から見る習慣はあまりないかもしれないが、こちらでは比較的自由に見ることができ、親は折りたたみ椅子を持参し、ピクニックシートを敷いて応援している。それは試合ではなく、通常の練習である。
日本だと家でテレビなど見てのんびりしたいような時間に、彼らは足繁く学校へ行き、自分の子供を応援しに行くのである。家に帰れば夜9時や10時になるだろうから、子も親も大変だろうが、親は子供の成長を見れ、子供と過ごす時間を持っているという点で、それはそれで有意義な時間を過ごせているかもしれない。
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前回の続き。私の日本語レッスンの生徒の一人であった、アメリカ人の高校教師は、当初ほとんど日本や日本語について知らなかった。三回ほど私と彼女でレッスンを行った後、その高校で初めて、彼女による日本の授業が始まった。人気があったらしく、日本のクラスは当初予定の1クラスでなく2クラスできる事になり、1クラス30人ずつで、空きはなく満杯だったそうである。彼女は相当緊張したと言う。
当初私は、彼女自身が全く日本語が分からなかったので、日本語の文法や熟語単語をせっせと教えることは難しいだろうから、日本や日本語を楽しみながら慣れ親しんでもらうような簡単な内容にしたらどうか、と提案した。
彼女も同じ考えだったらしく、文法は超基本的なことにとどめ、それらを簡単なゲーム方式にて聞く話すの能力を養わせ、その他に日本文化や今の日本で流行っているものなどを紹介し、そして日本のアニメや今人気の歌を字幕つきで時々見せるような授業方式にすることにしたようだ。
同時に私はけん玉や将棋の駒、カルタ、招き猫の置物、扇子、こま、日経新聞、日本語のフリーペーパー、英語による日本の百科事典のほか、幼児向け絵本、少年ジャンプ、浴衣、下駄などアメリカ人高校生が興味を持ちそうな物を彼女に貸したり、高校生が好きそうな英語字幕つき日本アニメのDVDを貸したりした。
日本のクラスを希望した高校生の大半は、アニメに興味がある者で、残り少数は簡単に単位を取れると見込んだ者だったらしい。当初彼らの多くはすでに彼女より日本や日本語をよく知っていて、私が最初に彼女に教えたあいさつで使う日本語を、彼女がクラスで教えると、発音が下手だ、と突っ込まれ、生徒の方が流暢に話すので恥ずかしかったらしい。
そこで私は何度もゆっくりと彼女に日本語を話し、基本的な指示語、形容詞、動詞と、数字、時刻の読み方、慣用表現等を教えた。フランス語教師だからか、彼女は文法の要点を理解するのがとても上手く、それらを学校の生徒たちに説明し、ゲームをさせ、場つなぎで時々彼らが好きと言う日本のアニメを英語字幕つきで見せたと言う。
彼女の日本語クラスはかなりの好評だったようで、授業後も多くの生徒が日本の話をしていたり、次回の授業の内容は何かといろいろ聞いてきたり、別の高校教師は「生徒たちは私の数学の授業中でも日本の話ばかりしてくるわ」、とからかわれたり、日本の興味のある事柄を書かせるレポートを出したところ、彼女が知らない様々な日本文化や習慣などを多くの生徒が興味深く調べ上げ、彼らの熱意にびっくりしたというほどの人気ぶりだったらしい。
ど田舎の高校で、日本の授業が人気というのは、自分のことのように嬉しかった。来年も彼女の学校で日本の授業が行われるか不明だが、彼ら高校生たちがとても楽しんで日本の授業を受けていたのを聞くと、私も協力出来た事が嬉しかったし、他の多くの学校でも日本の授業が行われるといいなと思った。
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私が教えている日本語レッスンの生徒に、あるアメリカ人女性がいた。一番最初のレッスン日に、互いに自己紹介をし、日本の文化、習慣、流行っているものなどを写真で紹介し、日本の基礎情報、そしてあいさつする場面での日本語を教えた。私が話す日本の話に結構食いついてくるような感じで、モチベーションが高そうなのでこれから覚えが早そうかな、という印象だった。
だが翌週、二回目のレッスン時に、顔を赤らめてやってきて、I have to tell you something.(言わなきゃいけない事がある)と真剣なまなざしで言ってきた。聞くと、彼女は近所でフランス語を教えている高校教師で、実は学校の方針でいろいろな世界を知ろう、というプログラムが作られ、彼女の学校で初めて、日本語の授業が始まることになり、彼女が担当し教えることになった、という。
フランス語やスペイン語などの授業は前々からあったが、日本語というマイナーな授業を、20週間という期間限定で担当することになり、日本語など全く知らない彼女にとっては青天の霹靂だったようで、半分涙目でHelp me!と懇願してきた。
もし、そういう事情なら教えない、と私が断ってきたらどうしよう、と前日彼女はあまり眠れなかったらしく、正直に話してくれたようだった。私は別に気にしないし、助けてあげられる訳だし、必要なら私がゲストとして学校のクラスで何か話でもできたら面白いね、等と言うと、とても喜んでくれた。
それから、私がいろいろ教えたり紹介した事を、翌週に彼女が高校の日本の授業で使う、という少しユニークなレッスンを始めた。次回は日本語でおはよう、とありがとう、しか知らなかった彼女が、どうやって日本の授業を行ったか書いてみる。
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アメリカの家は大抵日本のより大きい。家が大きければ庭も大きい。庭も大きければ、木も大きい。寒冷地にある私の家の木であっても葉は毎年生える訳で、秋にはその落ち葉掃除はかなりの重労働になる。
私の家にも大きな木が3本あり、毎年その大量の落ち葉に頭を悩ます。人が乗るトラクタータイプの芝刈り機に、巨大バッグと巨大ホースを取り付け、落ち葉だらけの庭を綺麗にする。手押しタイプの芝刈り機の場合も同じくバッグを取り付け落ち葉を集める。
だがバッグはすぐ一杯になる。集めては捨て、の繰り返しで庭の落ち葉を全部綺麗に取り除くには、25mプールが数個ほどの庭で約一時間はかかる。これのない家庭は、くま手を使い、家族総出でせっせと落ち葉かきをせねばならない。芝刈り機を買うまでは、そのくま手、レーキでせっせとかいていた。気が狂いそうなほど大変で、ようやく終わったと思えば、翌日雨や風が強かったりで、すぐ落ち葉のじゅうたんに戻った庭を見れば、とてもがっかりしたものだ。
そうした重労働を避けるために、秋が来る前の夏までの間に、木の枝を刈り、庭先に捨てる家庭をちらほら見かける。そうした大量の枯れ枝、枯れ葉は、専用の業者が回収しに来る。なお楓の木の場合、住居建設用に欲しがる人がまれにいて、木を綺麗に切ってもらい、お金を貰った友人がいる。
木を切る際、業者を呼んで切ってもらう人もいるし、数メートル伸びる高所枝切りバサミ兼ノコギリで切る人もいる。だが自分でやる際は注意が必要で、一気に太い枝を切ってしまうと、下にある屋根やバーベキュースタンドなどを破壊してしまいかねない。また根こそぎ伐採してしまうと、場合により家に日陰が出来なくなり、家の中が暑くなり、私のお隣さんみたいに夏場はずっとクーラーをつけねばならなくなる。庭の木とその葉をいつ切るか、どれくらい残すか、そのいい塩梅は未だになかなか難しいものがある。
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私のオフィスでは、たくさんのアメリカ人が働いているが、彼らの多くは月曜日か、金曜日はよく休む。全員ではないが、これらの日に出てきても午後休にする人も結構いて、アメリカと日本の仕事への取り組み方の違いを感じられるような気がして興味深い。
私の部署は日本人のみの部署で、何人かは日本からの出向組である。今も根強く日本にある、周りが休まないから自分も休むのははばかれる、と言い滅多に休まない。彼らは有給休暇をいつも上限まで持っており、毎年超えた分は使うことなく消えていく。お金で支払われる訳ではなく、ゴールデンウィークやお盆もアメリカにはないし、事あるごとに休めばいいのに、と私は言うが今まで日本でそうだったように、アメリカに来てもほとんど使わない。
私はもうアメリカ生活のほうが長くなってきたからか、周りのアメリカ人のように有給休暇をバンバン使う。事前にとても忙しいと分かっている日にあえて休むことはしないが、周りの目は気にしなくなった。出向組が休まなくても、私や他のアメリカ人たちはどんどん消化する。アメリカ人たちは、毎回のPaycheckを見て、あといくら有給休暇が残っているか確認し、年度内に全て消化してしまうよう計画する人が多い。連休にするため、月曜や金曜は社内の人の数や、駐車場に止まっている車の数も比較的空いている。
一方で、個人的に人が少なくなるのは快適だ。なぜなら、多くのアメリカ人は私語や世間話が多く、うるさい。しばしば彼らは世間話をして腹を抱えるほど大笑いをしたり、笑いすぎていびきのような音を出して笑ったり、歌を歌ったり、ヘッドフォンをつけるのを忘れてYoutubeを見ていたり、相手のデスクに行って話せばいいのに歩くのが面倒臭いのか、数メートル離れている互いのデスクにいながら大きな声で会話する。彼らのデスクの間に私の席があるので、彼らの大きな会話が私の頭上で飛び交い、時々いらいらするからだ。日本ではあまり見られない光景かもしれない。
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