自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカのホームスクール その1

アメリカではホームスクールを行う家庭が多い。つまり学校に行かせず、基本的に家で親が子供に教える。アメリカでホームスクールを行う3歳から17歳の就学年齢の子供の数は、1999年で約85万人、2003年で110万人、2007年で150万人と、年々増加しているという。それは就学児童の3%以上を占め、内訳は白人が68%、ヒスパニック15%、黒人8%、アジア人4%と、圧倒的に白人家庭が多い。
日本ではホームスクールをさせる家庭は非常に少なく、その考えに否定的、またはホームスクールの概念自体持たない家庭も多いようで、その日米の差には驚く。
なぜアメリカではホームスクールを行う子供が多いか。理由は、91%が学校環境に懸念を抱く、77%が常識、道徳の習得を自ら教えたいため、74%は学校の教育内容に不満足、と続く。経済的事情によるケースもあるが、それよりもさらに、学校の環境に懸念を持つアメリカ人の親が増えている。聞くところによると、一定数の生徒が試験に合格できなければ、その教師はクビにさせられる事があるため、いかに試験で高得点を取れるかという授業になりかねず、本来の教育とかけ離れていると非難する保護者がホームスクールに流れることがある。
また、一部の敬虔な信者の家庭では独自の理念があり、テクノロジーは不要で、地球は5000年前に神により生み出された、等と教えるため、学校の教育はおかしいとホームスクールを行う場合もあるようだ。いろいろ理由はあるが、貧困が原因と言うよりは、多くは学校の教師や教育内容の質の悪さ、親が子に望む教育概念と現実の学校との相違、子供が心身ともに健全に育ちうるカリキュラムや設備等の懸念、他の生徒から受けかねない様々な悪影響などなど、可愛いわが子にはより良い教育をさせたいと思う多くの親が学校ではなくホームスクールの形態を取り、自らわが子に教える。優秀な家庭教師をつける家庭もある。次回に続く。