アメリカのホームスクール その5
ホームスクール経験者の多くがIQが高くなったり、飛び級したり、大人になってからの収入が学校に通った人より何割も多いとか、長所はいろいろ言ってきたが、短所や懸念をほとんど言わない。どうもセールスマンに丸め込まれているような不快な心境になったものだ。友人作りは?子供達との集団生活の経験、協調性はどう育てる?プロの教師よりも、妻が本当に上手く教えられるのか?そうしたもろもろの疑問に対して明確な答えが妻からなく、学校生活が完全でないように、ホームスクールも短所がある、と理解する必要があるなと当初思ったものだ。
経験がないためイメージが湧かず、実際始めたとしてどういう子供に育つのか?子供が大きくなってその子供時代を振り返った際、ホームスクールは私達子供には向いていなかったと後悔しても戻るわけに行かない。貧相な情報の中で投資する様なもので、不愉快であった。
だが結局私が折れた。毎日のように妻が私にホームスクールについてやりたいと揺ぎ無い自信で話してきて、半ば私が折れる形でしぶしぶ認めた。学校に通おうとホームスクールを行おうと、上記のようにそれぞれに長所短所になるポイントはある。
決め手は、妻がホームスクールに詳しく、やる気満々であること、子供も望んでいること、そしてこれは小学校までで、中学一年になれば学校へ行く、という約束をした事、また年二回テストをし、それが平均より下回れば即学校に通わせる、ホームスクールの集まりに頻繁に参加し、友人を作れる環境におき、集団生活を学ばせること等、という私の条件をを妻が飲んだことによる。経験のない私からすれば大きな賭けであった。
もし失敗して子供の学力や、人間的成長が学校に通う生徒より大きく劣ったなら、妻だけでなくしぶしぶでも認めた私への自責の念は一生償えないほどになるだろう。リセットボタンを押して過去に戻せるわけではないので、恐怖心さえあった。今もそれはあるが、大人になって明らかに感じる何かがあるまで分かりにくいものだが、ホームスクールは今でも続いている。