自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカで使う単位に対応する方法

アメリカに滞在すると、日米で異なる色々な単位、例えば長さのインチ、フィート、マイル、時速のマイル、重さのポンド、通貨のドル、温度の華氏、などにしばしば悩まされる。アメリカで長い間住んでいても未だそう思う。
幼年期を日本で過ごし、20代にアメリカに住み始めたので、こういった類の単位は日本で使うもので体が染み付いている。だから完全にアメリカ式の単位で過ごすとやはり疲れて、87インチなどと言われてもイメージが未だにすぐには湧かない。
だから少しでも負荷やストレスを感じないように、基本的に日本で使う単位のままで暮らしている。家で使う温度計、体重計、メジャー、ものさしは日本で買ってきたものだ。以下は毎日のアメリカ生活で、なるべくストレスをかけない私のイメージだ。
1インチは約3センチ。10インチは約30センチ弱。20インチは約60センチ弱。15インチなら30と60センチの半分弱、という具合に、相当ラフに計算する。1フィートは約30センチ。5フィートは30かける5の1メートル50センチ程度。1ポンドは約500g弱、2ポンドは約1kg弱。靴のサイズは自分のサイズのみ覚えておけば何とかなる。天気予報を見てもすぐ分かるように、手作りの摂氏華氏の表をテレビ横に張っていて、今でもたまに見る。イメージは、華氏50度前後は摂氏10度位でひんやりする感じ、華氏70度前後は摂氏20度くらいで暖かく過ごしやすい、華氏80度越えると暑い、という感じだ。細かい事は気にしない、のがポイントだ。
郷に入りては郷に従え、と言うけれど、日本で使う単位で小さい時から慣れていると未だに面倒臭いことがある。それに世界的に見ても、ヤードポンド法を使用するのはアメリカとミャンマー、リベリアのみと言われるし、日本で用いる単位がむしろ世界水準で、意固地にインチなどを未だに使っているアメリカのためにわざわざ合わせてやっているのだと、計算が面倒臭い時は自分で自分をある種なだめる事がある。
なお日本式の単位に慣れていて、アメリカで使う正確な単位が必要な場合、小さな携帯用計算機か携帯電話の裏面に、1インチ=2.54cmなどと書いた小さな対応表をテープで貼り、パパッと計算するのも手だ。

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アメリカのホームスクール その5

どうしても経験がないので、うまくいくイメージが湧かない。妻がいろいろとホームスクールの長所を述べた。
ホームスクール経験者の多くがIQが高くなったり、飛び級したり、大人になってからの収入が学校に通った人より何割も多いとか、長所はいろいろ言ってきたが、短所や懸念をほとんど言わない。どうもセールスマンに丸め込まれているような不快な心境になったものだ。友人作りは?子供達との集団生活の経験、協調性はどう育てる?プロの教師よりも、妻が本当に上手く教えられるのか?そうしたもろもろの疑問に対して明確な答えが妻からなく、学校生活が完全でないように、ホームスクールも短所がある、と理解する必要があるなと当初思ったものだ。
経験がないためイメージが湧かず、実際始めたとしてどういう子供に育つのか?子供が大きくなってその子供時代を振り返った際、ホームスクールは私達子供には向いていなかったと後悔しても戻るわけに行かない。貧相な情報の中で投資する様なもので、不愉快であった。
だが結局私が折れた。毎日のように妻が私にホームスクールについてやりたいと揺ぎ無い自信で話してきて、半ば私が折れる形でしぶしぶ認めた。学校に通おうとホームスクールを行おうと、上記のようにそれぞれに長所短所になるポイントはある。
決め手は、妻がホームスクールに詳しく、やる気満々であること、子供も望んでいること、そしてこれは小学校までで、中学一年になれば学校へ行く、という約束をした事、また年二回テストをし、それが平均より下回れば即学校に通わせる、ホームスクールの集まりに頻繁に参加し、友人を作れる環境におき、集団生活を学ばせること等、という私の条件をを妻が飲んだことによる。経験のない私からすれば大きな賭けであった。
もし失敗して子供の学力や、人間的成長が学校に通う生徒より大きく劣ったなら、妻だけでなくしぶしぶでも認めた私への自責の念は一生償えないほどになるだろう。リセットボタンを押して過去に戻せるわけではないので、恐怖心さえあった。今もそれはあるが、大人になって明らかに感じる何かがあるまで分かりにくいものだが、ホームスクールは今でも続いている。

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アメリカのホームスクール その4

前回の続き。また地域にはホームスクールの集まりがある。同じような家庭の親子が集まって、誰かの家や、YMCAなどのジム(プールや子供用の施設、子供用のスポーツレッスンがたくさんある)、公園、浜辺、農場、(科学)博物館、美術館、図書館、植物園、スキー場、インドア(アイス)スケート場、器械体操の体育館、コミュニティーセンターなどの施設やイベントの場等に集まり、一緒に遊んだり学んだりする。
ホームスクールの親子たちがまとまって何かに参加すると、たいてい無料か、通常入場料よりもかなり安い価格に設定されることが多い(なおホームスクールの家庭であれば、近くの本屋ではホームスクール者用のカードをもらえ、教育関連はいつも20%引きにしてくれる事がある)。何曜日にどこどこでホームスクールの集まりがある、等と言う連絡が頻繁にあり、毎日のようにその集まりに出かけている。
では実際日本人である私はどう思っているか、書いてみる。
子供を学校に行かせるか、ホームスクールにするか、妻と相当な期間話し合った。結局ホームスクールをさせることになったけれども、本当のところは今でも100%賛成している訳ではない。そもそもそれがどういうものか、分からなかった。日本で大学まで学生生活を送った経験しかないので、自分の子供もそういうような生活を送るものと、その二者択一的な発想自体なかったのである。
そのためイメージが湧きにくかった。 家で教えるなど、子供を甘やかせているのではないかとか、親子であればこそ甘えが生じうまくはいかぬ、と啖呵をきったこともあった。好きな事だけさせるような教育ではなく、一般常識や基礎は広く知るべきだと言ったり、小さい頃から他の子供と学校で集団生活し揉まれる事でのみ学べることがたくさんあるはずだとか、ホームスクールでの友達作りは難しい環境であり、学校のように毎日顔を合わさないのにどうやって親友や一生の友人が作れるのだとか、子供同士で何かに取り組み達成する事をしようにも困難な環境ではないかとか、めぐり巡って子供を甘やかせていることにならないかと話し合った。次回に続く。

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アメリカのホームスクール その3

前回の続き。アメリカではホームスクールとして、学校に行かせず親が子供に教育を行う家庭が増加している。私の家庭もそうで、実際どんな風に教えているか書いてみる。まず朝起きてすぐ、私が用意した日本語のプリントをさせる(妻はアメリカ人なので、日中に日本語を終わらせ私が帰宅後それをチェックし教える)。そしてインターネットでホームスクール用のサイトが大量にあり、そこから今日行う事柄を妻もしくは子供が選ぶ。あるサイトでは、数千ドルする一年間分をセットで購入できる。
家庭により、親主導、子供主導だったり、興味のあるところからやったり、やれそうならば年齢に関係なくどんどん先の内容をやらせたりいろいろだ。基本は保護者がつきっきりになれるので、子供の理解度の進捗状況がよく分かるため、今日やろうとしたことがわからなければ、妻がもっと時間を割き教えたり、昨日の箇所に戻ったり、様々な例を出して子供が理解するまでアドバイスする。理解しており更にやりたがれば、一、二学年上の内容をやらせることもある。
また近くの本屋で買ってきた問題集やドリルも用い、行わせ、図書館に頻繁に通い、様々な本や実験材料を借りてくる。本でもインターネット利用でも、基本は興味を持たせ楽しみながら行わせ、よく褒める。楽しんでいるようなら、少しだけ難しいレベルをさせる。そして自分で解く達成感や満足感、しいては自分で次はこれを学んでみたいという自主性を養わせる。このインターネットと問題集、本がメインで、今日やる予定が全て終われば、例えまだ朝10時であってもその日の勉強は終わる。以降は自由時間になる。TVやTVゲームは私達の場合2時間または映画一本程度までであるが、それ以外なら自主性に任せ自分のしたい事を何でもしてよい。次回に続く。

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アメリカのホームスクール その2

私の周りにもホームスクールの家庭は多い。実は私の子供も学校に行かせておらず、妻が家で教えている。子供が就学年齢になった時、私は当然のように幼稚園に行かせようと考えており、他の選択肢の発想自体なかった。妻は私と正反対で、ホームスクールをさせたいと事あるごとに言っていた。
だが近くにモンテッソーリという、子供の能力を伸ばす個性的な私立幼稚園、小学校があり、そこならばと言うことで3歳から通わせた。だが、教育内容に妻が不満足を感じ出した。元は、先生から言われた作業を私達の子供が簡単にこなしても、同じ事をその後も明日もあさってもやらされるのが苦痛といい始めた。20人以上いる、複数年の生徒がいる、1つのクラスの生徒それぞれの適正を見て、先生が異なった作業をするよう一人ひとり見回り教える。そのため自分の所に先生がやってくるまでは同じ事を繰り返さねばならない。また、先生がまだ早いと判断すれば、新しくより難しいチャレンジングな作業をしたくてもできず、同じことの繰り返しが苦痛だと不満を述べた。
そして下したのは、時間の無駄であり、興味がある時こそ能力を伸ばす最適な時なので、やりたい事があれば何歳用、何学年用などとらわれずなんでもさせてあげる環境を持ちたい、家でやったほうが時間を有意義に使える、(元教師の)妻が自らやると大変やる気、とのことで学校を辞めさせ、以来家で妻が全てを教えている。次回は家でどのようにホームスクールを行っているか、書いてみます。

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アメリカのホームスクール その1

アメリカではホームスクールを行う家庭が多い。つまり学校に行かせず、基本的に家で親が子供に教える。アメリカでホームスクールを行う3歳から17歳の就学年齢の子供の数は、1999年で約85万人、2003年で110万人、2007年で150万人と、年々増加しているという。それは就学児童の3%以上を占め、内訳は白人が68%、ヒスパニック15%、黒人8%、アジア人4%と、圧倒的に白人家庭が多い。
日本ではホームスクールをさせる家庭は非常に少なく、その考えに否定的、またはホームスクールの概念自体持たない家庭も多いようで、その日米の差には驚く。
なぜアメリカではホームスクールを行う子供が多いか。理由は、91%が学校環境に懸念を抱く、77%が常識、道徳の習得を自ら教えたいため、74%は学校の教育内容に不満足、と続く。経済的事情によるケースもあるが、それよりもさらに、学校の環境に懸念を持つアメリカ人の親が増えている。聞くところによると、一定数の生徒が試験に合格できなければ、その教師はクビにさせられる事があるため、いかに試験で高得点を取れるかという授業になりかねず、本来の教育とかけ離れていると非難する保護者がホームスクールに流れることがある。
また、一部の敬虔な信者の家庭では独自の理念があり、テクノロジーは不要で、地球は5000年前に神により生み出された、等と教えるため、学校の教育はおかしいとホームスクールを行う場合もあるようだ。いろいろ理由はあるが、貧困が原因と言うよりは、多くは学校の教師や教育内容の質の悪さ、親が子に望む教育概念と現実の学校との相違、子供が心身ともに健全に育ちうるカリキュラムや設備等の懸念、他の生徒から受けかねない様々な悪影響などなど、可愛いわが子にはより良い教育をさせたいと思う多くの親が学校ではなくホームスクールの形態を取り、自らわが子に教える。優秀な家庭教師をつける家庭もある。次回に続く。


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