自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

日本の旧友と話す際に感じること

数年ぶりに日本へ帰ると、当時の学生時代の友人と話が咲く。数年間どうだったかの近況を話すほか、学生当時の思い出話などをする。アメリカに永住してかなり経つ私にとっては、日本での思い出は基本的に渡米以前のものである。それ以降のこと、例えば現在の流行語や有名人、人気の商品など、今日本で住む日本人が普段の会話で出しているそれらを、私はたいてい知らない。
だから久しぶりに旧友と会う際、今流行っている物事を彼らが言ってきても私は基本分からないし、一方私が用いるネタはかなり古い。例えば、宮路社長のように現金主義だから、と言ったり、スタンハンセンがレスラーで一番最強だ、と言ったり、クロマティーのような構え方だな、と言ったり、タケちゃんマンみたいなハロウィンコスチュームと言ったりするなど、渡米前で基本止まっているのでそこまでが私にとって一応最新の部類である。歌手のアンジェラ・アキも、10年振りにアメリカから帰国すると、オバタリアンなど一昔前の言葉を使っている事をツッコまれた、と言う。日本の最近の流行を言いたくてもよくわからないので仕方ない。
一方旧友たちにとっては、昔の記憶の引き出しを探して時間がかかっているような思い出話や、当時の流行のネタがあっても、それらは私の渡米前の情報に時期が近いので、比較的すぐ答えられる。だが彼らは、よく覚えているなー、とか、すごいところ突いてくるなー、などと、昔の話の私の詳しさにたいてい驚かれるが、私が記憶力が凄いのではない。毎日彼らは日本の最新情報に触れ、古い情報はどんどん記憶の後ろに押しやられるかもしれないが、私にとっての日本での情報は、渡米時までがメインで、アメリカ在住年数分、日本関連は容量が少なく済み、これからも日本関連の情報は彼らと同じペースで増えないだろうから、時代遅れというか、タイムスリップして未来に来た人間と話しているようなものかもしれない。