この話術でアメリカ人に挑んだ結果
しかし何も面白いことを言っていないので、相手のアメリカ人はたいてい笑わない。ニタニタと、こいつは何が面白いのだ、と口には出さないが思っているアメリカ人のオーラを、私はひしひしと感じる。また歌手のAvril Lavigneは、日本人男性はニヤニヤして気持ち悪いと言う。彼らの努力が裏目に出たようだ。
とはいえ無意味の笑いが必ずしも場の雰囲気をさらに冷やすのではなく、多少は和やかなムードに貢献したり、後に本当に双方心から笑える話が出やすいきっかけにもなりうる場合もある。
つまりそういう話術に乗ってくれるアメリカ人もいれば、全く乗ってこないアメリカ人もいる。全く乗ってこないアメリカ人にそういう話術を続ける日本人を見ると、少し寂しく惨めに思えるほどで、相手のアメリカ人が気持ち悪いからやめろと言わんばかりの、ビシッと来る高速ストレートのような苛立った声と内容で返答する者もいる。
相手が乗ろうが乗らまいが、無意味に笑うコミュニケーション術では、こちらがどうも下手の立場になり、話の主導権を簡単に譲ってそうで、私は真似しない。そうでなく、アメリカ人と円滑にコミュニケーションするには、簡潔かつユーモアセンス(本当に面白いと思わせる内容や機転の効いたジョーク)を随所に入れるほうが自然で、それが彼らの話し方でもある。