自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ永住の子供に日本語を学んでもらう理由 その2

前回の続き。アメリカに永住する以上、日本語を学ぶ必要性が子供になかなか生まれず、学ぶ強い動機や目的が定まらない。
最終手段は日本に留学させるしかないか、と思う時もあるが、子供がそれを望まないのならば親のエゴになりかねず、なかなか歯がゆい。外国に出て世界を知り、子供の人生に何かのプラスになれば、と思うがその「何か」がぼやけて確定しない。
日本語を学べば、同時に日本人としての良い部分、例えば礼儀正しさ、人を思いやる優しさ、和をもって尊しとする協調意識、物を大切にする、親や目上の人、自然や超自然的なものに敬意を払う、清潔感を持つ、責任感の強さ、時間を守るなど、概してアメリカ人より優れていそうな美徳も習得できると信じている。
これらは日本人の私と生活をともにすれば身につくと思うが、土台として日本語で話し、私自身日本人の観点価値観で接しなければならないと思う。
こうした性格や価値観を形成させうるものは目に見えず、概念的なもので、言って会得するものでなく私自身が見せて模範を作り体で会得させねばならず、単語を覚えて終わり、の作業とは異なり時間も労力もいる。
だが単なる日本語を覚える作業の先にある、こうした日本人的美徳も持ち合わせた、ハーフでなくダブルの人間になって欲しいと思う。
とはいえアメリカで生きていくために不可欠というほどの動機付けにはまだ決定打に欠けるが、日本人とアメリカ人のハーフの子供として、いつか子供が、父さん、日本語教えてくれてありがとう(おかげで~できた)などと言ってくれたら、私は泣いてしまうかもしれない。
その日を夢見て、少なくとも教える側である私は根気強くアメリカで日本語を教え、日本というものを子孫に伝え残そうとしているのである。