自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

メモリアルデーで思う事

毎年五月の最終月曜日はメモリアルデーで、軍人を讃える日で祝日だ。軍人戦没者の墓前や、軍人の家の軒先にはアメリカ国旗が掲げられる。そして各町ではパレードが行われる。今年も自分の町のメインストリートでパレードがあり見に行ってきた。パレードでは、その町出身の退役軍人が軍服を着て行進し、観客は敬意を表し立って脱帽し拍手をする。敬礼する観客もいる。
しかし日本人である私は未だに、少し心穏やかでない時がある。戦争で日本人を殺しているし、私の叔父達もガダルカナル島やミッドウェー海戦等で戦死した。もしかすれば叔父達を殺したのは目の前で行進している軍人達かもしれない訳で(可能性は低いが)、 パレードで国の英雄として彼らを心から拍手をするのにはためらいがある。
また第二次世界大戦時アメリカにいた日系人の待遇や、日系アメリカ人として日本と戦った兵士等、歴史をみれば暗い過去があり、今後もしもの事を考えれば、複雑な心境になる。
そういう気持ちは今も事実としてあるにはあるが、いつまでもそうは言ってられない。自分の国を守るために軍人として行動したのは日米どちらも同じであるし、 個々人を恨むのは筋がおかしい気がする。日本人を大量に殺しやがって、等と思うのではなく、単に母国のため戦地で命をかけて奉公した、という点に敬意を表して、軍人のパレードを今年も眺めていた。アメリカのメモリアルデーのように、歴史を学ぶ歴史の日等日本でもあればいいかもなと思う。