自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカではThank youと一日に何回言うか?

夫婦仲や恋人仲がうまくいっておらず喧嘩ばかりなのでどうすればいいですか?という人生相談的なサイトを先日たまたま目にして、それに対し、ありがとう、といろんな場面で言うといいですよ、と回答されていた。
私もそう思う。優しい言葉で接してほしいのではなく、優しい心で接してほしいのだ、と言われるが、その環境作りとして、また相手を気遣う魔法の言葉のうち、最も簡単で効果のある一つが、ありがとう、だと思う。
日本にいた頃は、今ほどありがとうと言わなかった(言えなかった)。アメリカに住み始めてから、およそ劇的にありがとう(Thank you)を多用するようになったが、それは周りの人々が日常的にほんの小さなことにも自然にThank youと言っている環境に感化されたからだと思う。
ドアを開けて待ってくれた時、物を取ってもらった時、買物でお金を支払う時、サービスを受けた時、電話を切る時、会話が終わる時、食べ終わった時作ってくれた妻に対して、来客者に対して、言った事をしてくれた子供に対して、など、基本相手が誰であっても自分に何かしてくれた時はすぐThank youと言う。
出先でも、自分はお金を払う客の立場だからと店員等との間に優劣を作って接するような発想はほとんどない。どんな立場状況でも、何かしてもらったら相手が誰であってもThank youと言う。日本にいた頃、スーパーやコンビニでは一言も話さず買い物を済ましていた気がするが、所変われば人変わるものだ。
Thank youと言うと、言った側言われた側とも気分がいい。言った側は、たとえ小さな事でも自分のためにわざわざ何かしてもらったわけで嬉しいし、気分が多少ほころぶ。言われたほうも嬉しいからまたしてあげようという気になる。そういう瞬間が一日に何十回とある。勇気を出しての一言ではなく、それは投げた石が水の波紋を四方に広げるような感覚で、相当数のアメリカ人が主体的日常的に行っている。
ありがとうというプラスの感情をこちらから言い続ければ、自分もまた何かしたくなるという相乗効果で、相手を認め気遣いあう素地が出来てくる。またありがとうと言うと相手を認め自分の立場が下になり下がり、あたかもこちらが負けのような発想もアメリカではほとんどなく、むしろ逆で積極的に言うべきであるほどだ。