アメリカでのオリンピック観戦
オリンピックを見ていると、やはりアメリカなので、放送も出場するアメリカ人選手の競技が中心である。競技の合間はアメリカ選手の幼い頃のエピソード等が紹介される。
そして大半の競技でアメリカ人選手はメダルを獲得する。そのため、日本でオリンピックを見ていた時のような、やっと出てきた日本人選手が、他国の選手に負けずどうかメダルを取ってくれ、と祈るような気持ちで観戦することもない。アメリカ人選手の多くがメダルを獲得し、いつもベスト3に入るほど量産してくれる。決勝戦がアメリカ対アメリカという競技もあるほどだ。
アメリカで住む私は、どの国を応援するかというと、しいて言うと日本とアメリカと思うが、特にこだわっていない。日本で育ったから、日本人が活躍すると嬉しいが、昔日本で観戦していた時ほどの祈るような感覚はなくなった。
一方で、アメリカ人選手がメダルを取ると確かに嬉しいが、ああまた取ったか、という気分で、むしろ国土も人口も少ない小国の選手がアメリカ人選手に勝ったのを見るともっと嬉しく、観戦のしがいを感じる。
人口が多く、選手育成に資金と設備が整っている大国では、優れたコーチだけでなく代表選手の質自体、全国の相当数いる中の最も優れたエリートなわけで、必然的にレベルが高い。アメリカに移住して住んでいると、勝って当然のアメリカ人選手が小国出身選手に負けるのを見るのがより楽しいという、天の邪鬼的観戦をしているのである。
日本対アメリカ、中国、ロシアなど大国の試合を見るときでも、そういう理由で、日本が勝つと嬉しい。逆だと当たり前のようで味気ない気分になるのである。