ハワイで住む その2
同じようにアパレル業界、日本食業界、観光業界、美容業界、ホテル業界など、日本人観光客向けのビジネスを中心に日本語スタッフの一定需要はある。外国で日本語で仕事ができ、同僚も顧客も日本人なのは何かと便利であった。
この点での短所と言えば、日本語でできる仕事であっても、それだけでは特殊技能として賃金が高いわけではない。日本語プラスアメリカの弁護士資格や公認会計士、特殊技能の長年経験等ないと、貯金ができるほどの生活はできない可能性がある。
また英語が苦手な人には日本語の仕事は良いが、そのせいで英語がいつまで経っても上達しない可能性がある。ほぼ一日中日本語で生活でき楽なので、英語を話すのを嫌がり、日本人のコミュニティー内にいようと固執してしまう可能性がある。そうした英語を学ぼうとしない、外人と話そうとしない在留邦人をワイキキでたくさん見てきた。
次に住居/物価であるが、私の経験ではとにかく高い。衣食住の食住に費用がかさむ。住んでいたワイキキのアパートは2LDK だったが、月950ドルだったと思う。それがずいぶん前であるので、今はもっと高くなっているはずだ。私達はハワイで家を買いたかったが、高すぎてあきらめた。コンドミニアムでさえ数十万ドルするのは当たり前で、周辺地域で百万ドル以上する家も結構あった。
ワイキキで住むにはコンドミニアムを買う(マンションを買う感覚)か、賃貸のアパート住まいが一般的になるが、どの物件もたいてい高価なため、住居費にかかる月々の支払いは結構な負担になる。
税金、保険、医療費も決して安くはない。ハワイに限った事ではないが、保険に入っていてもちょっと医者に見てもらうだけで結局100ドル程度かかることもあるし、歯医者は高すぎるので、日本に里帰りする際に健康保険なしの10割負担でも日本の歯医者で治療してもらう方が安いこともある。
大雑把に言えばワイキキ生活は東京での一般的な収入より低いが、支出は同じくらいという印象であり、ワイキキかその近辺で在住かつ働く一般的な人々にとっては、この物価の高さは相当頭を悩ませているはずだ。ワイキキは相当な富俗層か、退職金を得た金持ちが住む場所だ、と知り合いが言っていたのも分かる。一部食料やバス代など安いものもあるが、とにかくワイキキ生活は何かとお金がかかった。私達がハワイを出たのは、この物価の高さによるのも大きな理由であった。次回へ続く。