自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

私が日本を出た理由

前回の続き。日本では頭を深々と下げて謝罪する人が大変多いが、本当に彼らが極悪な程の悪事をしたからなのかどうか。アメリカで同じような事件や犯罪が起こっても、当事者は頭を下げた謝罪はしない。不倫をした大統領も辞任などしない。土下座もしない。しかし日本人はするのだ。
思うに、そうさせるのは当事者ではなく、マスコミや国民感情によるのかもしれない。国民がそれを望んでおり、言葉だけでなくそれをしなければ感情が収まらない人々が多いからではないだろうか。
さらに、悪い事をした人が深々と頭を下げても、その後もその会社、同業種、同職業に何となく嫌悪感を抱かれ、以降もマスコミによってパパラッチ並みにマークされる。そして何か犯罪を犯したのではなく、単なる漢字の読み間違いや言い間違いのレベルでもマスコミは待ってましたとばかり当事者らを叩きのめす。国民も大半が同感し、それで辞職などの制裁をせねばならぬ悪循環に陥っている気がしてならない。犯罪を犯したわけではないが、国民感情を勘定し辞職等した有能な日本の事業者、政治家等もたくさんいると思う。
そうすると言葉を非常に注意深く選んで使わねばならず、常に揚げ足を取ろうと注視される中では、もう話もろくに出来なく、仕事にならぬ場合が出てくる。悪意、悪気があって言い間違いする訳ではないだろうから、本当に気の毒である。私が日本を出たのは、こうした日本のあらゆるものへの超が付く程の潔癖主義に、居心地よさを感じられなくなったのも理由の大きな一つである。