自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

雪の種類による雪かき法

毎年冬になると雪かきが大変だ。温暖化で雪が減るかと思えば、逆に台風のような勢力を持つ爆弾低気圧なるものが発生しやすく、寒い地方では猛烈な雪が降りやすいと言われる。
私が住むNYの田舎では、冬に大量の雪が降る。いわゆる雪かき機、Snow Blowerは必須だ。6、7万で、数十センチの雪を除雪できる手押し車のような機械を買え、周辺地域では一家に一台持っている。そうして毎日のように車や車道の雪かきをしていれば、日により雪の質、種類が多くあることに気づく。
いわゆる新雪、綿雪、パウダースノーなどと呼ばれる類の雪が降ると、雪かきの作業が楽だ。風で飛ぶほど軽い。朝の出社前、車の上や車道にある程度の量の雪が積もっていても、羽毛のように風で飛んでいくような状態と分かれば、雪かきを一生懸命しなくとも、車と運転すればその風で一気に雪が吹き飛ぶ。
また、たまに水分をかなり含んだ雪、いわゆるべた雪(ざらめ雪とも言うかもしれない)の状態がある。これは粉雪よりもずもっと水っぽく、見た目はシャーベットのようで、触れば柔らかいかき氷にやや近い雪だ。雪合戦の玉にするにはもってこいの雪質で、両手で圧力をかければかなり硬くなる。水っぽいのでまだアイスバーンのように凍っていないが、ブラシで車の雪かきをする際は、かなり重い。荷物をブラシで動かす様な感じで、雪を落とすとドスッと汚く飛び散る。だが凍りついていないので、ブラシで履く程度でさっさと雪かきを終わらせられる。
問題なのはこおり雪である。車の窓がすりガラスのように凍ってしまい、ブラシで履いても何も変わらない。これは相当寒い夜の翌朝とか、とにかく凍えるような寒い時にできる。雪ではなく、分厚い霜というか、氷であり、窓ガラス越しに見ても透過性がなく、前が見えないため運転できない。そのためスノーブラシの反対側についているプラスチック製のヘラで、車の窓の氷をガリガリと削り落とす雪かき(氷かき)をせねばならない。時に車内内側の窓ガラスにも霜がびっしりついている時は、もう仕事に行く気がなくなる程だ。なお誰かが昔、夜寝る前に車のガラスにサランラップをつけると、翌朝窓に霜がつかないと言ったが、まだ試した事はない。
この作業は結構時間がかかり、車内のヒータを最大にしても、すぐには取れない。こんなに強くやってガラスに傷がつかないか、と心配するほど、何度もヘラでガリガリと削り落とさねばならず、場合により10分ほどかかる。遅刻しそうでも、こればっかりはやっておかないと前左右が見えず、ワイパーも動かず大変危険であるからだ。
そういう日は、たいてい路面も悪い。除雪車が随時雪を取り除いてくれるが、しばらく来ていない道を走る時は、道無き道をいくかのように道がどこか分からなかったり、雪が凍りアイスバーンになっていたりして、細心の注意を持って運転しないと、すぐ事故を起こしてしまいかねず、命がけの運転をする日がよくある。