同じ人を使い続けるアメリカCMの例
アメリカでもそれはあてはまる。例えばProgressiveという保険会社のコマーシャルで、真っ白な服を着た女性が様々なバージョンでずっと出続けている。ハンバーガーのWendy'sでは赤毛の女性が、携帯電話会社のAT&Tでは、スーパーバイザーの店頭販売員役の女性が、ピザチェーンのPapa John'sでは、CEOの男性が、いつもそのコマーシャルに出ている。この商品と言えばこの人、という様なトレードマーク的、マスコット的に、同じ人を起用しているコマーシャルがアメリカにもよく見られる。
個人的印象では、同じ人をずっと起用し続けるのが分かる気がする。というのは、単に同じ人の起用では、商品とともにすぐ何のコマーシャルか分かりやすいということであろうが、上記で挙げたCMで出続けている人達は、カリスマというか、人をひきつけるような何かを持っている雰囲気を感じられる。単なるコマーシャルなのだが、何か作業をしてたのを止めて見たり、手を止めたりしてしまうことがあり、あの人が出るあのコマーシャルの続編、新バージョンが流れるとつい見てしまったりする。
そうこう続けていくうち、いつかその品物、例えば携帯電話等が必要となり店に出かけた際、いろいろなブランドやバリエーション、価格帯などでどれを買うか判断するわけだが、あの同じ人を起用し続けているあのコマーシャルのブランドの商品が、より親近感を感じてしまい、他社のものよりも一歩リードした状態で品定めをしているような気になる時がある。同じ人を使い続けるコマーシャルの、魔力を感じる瞬間である。